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第42回母親研修会 兼 子どもたちをネットトラブルから守るための保護者向け学習会の講話

講話「子どもたちをネットトラブルから守るための保護者向け学習会」

渡島教育局教育支援課社会教育指導班

社会教育主事 髙橋 枝里子 氏

1 子どもたちのインターネット利用状況

(1) 利用の傾向

<子どもたちの使い方>

・小学生

機 器:家族共用のPCやタブレット

使い方:動画サイトやゲーム

・中学生/高校生

機 器:自分用の機器、スマートフォン

使い方:SNSや無料通話アプリでのコミュ

ニケーション

○ 子どもたちのインターネット利用率は非常に高く、自分専用のスマートフォン等のインターネット

機器は、中学校や高校入学を機に与えられることが多い。

○ 子どもたちのインターネット利用方法については年齢によって差があり、小学生はゲーム等子ども本人が楽しむための利用が多く、中学生や高校生はSNS等を利用したコミュニケーションを目的とした利用が多い。

○ 子どもたちは、SNSを友達から聞くなどして見よう見まねで使い始めることが多く、個人情報の流出や不適切な投稿をしてしまうことがある。

(2)トラブルの累計

○ 福祉犯被害はSNSからの被害が最も多い。被害の

84.6%が14歳以上で、最も多いのは16歳。アク

セス手段は87.8%がスマートフォン。

○ 危険なサイトでのトラブルは少なく、注意すべき

は一般的なサイトである(グラフ参照)。

○ 女子児童がSNSで知り合った男性に、自分の裸の

写真や動画をスマートフォンの無料通信アプリで

送信させられるような事例があった。

○ 子どもはSNS上でも容易に人を信用してしまい、

嫌われたくない感情から被害者になってしまう。

○ 悪ふざけなど不適切な投稿をしてしまった場合、第

3者がそれを見て不快に思い、その投稿をネット上

の他の場所に勝手に公開されることがある。そこで

さらに反感を買うと、個人情報が暴かれたり、個人

への誹謗中傷が行われたり、実際その子どもが通う

学校に通報の連絡が入ったりする。このような一連

の流れを「炎上」と呼ぶ。

○ 一度ネットに出てしまった情報は半永久的に残り

続け、進学や就職の際に名前を検索されるとそのと

きの情報がいつまでも現れ後々まで影響する。

○ 顔や裸の画像流出については、交際相手に「送っ

  てくれないなら別れる」など迫られ送ってしまい、

  その後の関係性の悪化により嫌がらせ目的でイン

  ターネット上に公開されてしまうことを「リベン

  ジポルノ」と呼ぶ。

○ インターネットトラブルには、架空請求やポルノ

サイト、暴力的なコンテンツ等多数存在するが、

子どもたちから本当に防がなくてはならいトラブ

ルは、ここでとりあげた「心身に直接影響を及ぼ

すもの」と「影響が長期にわたるもの」である。

(3)インターネットの特性

○ インターネットの特性は、学校や家庭で学んでい

るはずであるが、子どもたちはその特性を学ぶ前

にインターネットをはじめているケースもある。

また、知っていながら、「自分は大丈夫」と考えて

トラブルに遭ってしまうことがある。

○ 大切なことは、特性を知るだけではなく、子ども

たち自身が自分の行動、インターネットの使い方

に反映できるかである。一度だけで伝えることで

終わらせず、繰り返し理解を促していくことがポ

イントである。

2 ご家庭でできること

○ フィルタリングは、子どもに見せたくないサイトやそのジャンルを設定しておくことで、そのようなURLへのアクセスをストップさせることができる。

○ ペアレンタルコントロールとは機器自体にかける制限で、ゲーム機のインターネットへの接続を制限したり、勝手にアプリをインストールすることを制限したり、また一日の利用時間を設定することなどもできる。

○ 大切なことは一度設定したからそれでよいというわけではなく、子どもの成長、インターネットへの理解に合わせて、フィルタリングの設定を変えていくことである。

○ インターネット利用を含めた望ましい生活習慣の確立などのために、子どものインターネット利用状況を把握することは大切である。何から手をつけてよいかわからなければ、ダウンロード可能な「メディアチェックシート」を利用するとよい。
※「北海道子どもの生活習慣づくり実行委員会」どさんこアウトメディアプロジェクト

○ 家庭でのルール作りは、子どもと協力して一緒に考える機会を持つということがポイントでである。なぜそのルールが必要なのか、子ども自身が考えることで、漠然としたインターネットのトラブルを自分に関係あるものとして捉えるきっかけになる。

○ ルールが守れなかった場合、機器の取り上げやインターネットの禁止は、あまり効果がないと考えられている。子どもたちは、問題が起きたときに取り上げられることを恐れ相談しなくなったり、代替手段を探すからである。

○ これからの時代は「使わせる」「使わせない」と

いう二択ではなく、フィルタリングなどの制限

サービスを上手に活用し、段階的に利用させて

インターネットを「使いこなす力」を学ばせる

ことが重要である。

○ 子どもたちをネットトラブルから守るためには、

機器を与える際に、子どもの知識や能力にあわ

せて、段階的・体験的に学習させていくことが

重要である。