講 演 「 子どもの健やかな成長とは 」
函館少年鑑別所 統括専門官 久野 英宏 氏
1 函館少年鑑別所とは ~法務省矯正局の施設
2 なぜ少年鑑別所に入るのか
(1)収容
①逃走・証拠隠滅を防ぐため ②有害な環境から守るため
(2)鑑別 各種心理検査や面接を通して、性格、心身の状況、家庭環境、交友関係などを調査する。
3 少年鑑別所の役割
(1)鑑別対象者の鑑別 面接、心理テスト等
(2)在所者に対する観護処遇 日課(食事、学習、運動、入浴等)
(3)非行防止のための地域援助 地域への技術等の還元 (多くの非行少年と接してきた経験を生かして、地域の一般の方々からの心理相談を受け付けている。)
4 少年事件の流れ 警察、検察、児童相談所から家庭裁判所に送られてきた事案を扱う。家庭裁判所での審判の前におおむね4週間収容される。
5 子どもの接し方 こんなことをしてはいけない「我が子を非行化させる12か条」の紹介
①幼いときから冷たくあしらう。スキンシップとか遊び相手になるのは禁物。
②欲しいと言えばホイホイと買い与える。うるさく細かく親の思うまま世話を焼く。
③子どもの間違いや失敗は理由を問わず叱りとばす。ひっぱたくことは一層よい。
④食卓の団らんを家庭から一掃する。子どもの話題や関心などを持たない。
⑤子どもがどこで何をして遊ぼうが気にしない。遊び相手についても全く気にしない。
⑥できの良い兄弟やよその子と比較して、お前はバカだ、誰々を見習えを連発する。
⑦問題解決は感情で処理し、暴力に訴えるか、集団の実力を悪用するのが手っ取り早いことを示す。
⑧子どもが良いことや努力をしてもほめるな。むしろ、ごまかしや裏切りなど悪事をうまくやったらほめる。
⑨子どもの前では夫婦間の意見を一致させるな。父親は難しい問題からうまく逃げよ。
⑩お金こそが人生の最高目標であると身をもって教え込む。宗教や精神生活を軽蔑させよ。
⑪子どもの前で法律、警察、学校、役所の悪口を言い、社会のきまりや公共機関への敵意を植え付ける。
⑫もし以上のすべてを忘れても、次の一つだけを心がけるならば、あなたの子どもの非行化は効率よく進むだろう。 “いつも夫婦仲悪く暮らし、憎しみ合い、できれば不貞をはたらくこと”