青 田 基 函館市PTA連合会会長
(函館市立的場中学校PTA会長)
『着眼大局、着手小局』
本年度より函館市PTA連合会の会長を務めさせていただくことになりました青田と申します1年間よろしくお願い致します。
今から10年前の平成14年度に行われた学習指導要領改正により、学習内容の大幅な削減、完全学校週五日制の実施、総合的な学習の時間の新設、絶対評価の導入などがスタートしました。いわゆる「ゆとり教育」の始まりです。当時、市内のPTA会長が集まる交流会の席上、その賛否について参加者が延々と議論していたことを鮮明に記憶しています。
皆様もご存じのように、小学生は昨年度から、中学生は今年度から新しい学習指導要領に完全移行しております。教科書の内容も確かに増えました。「ゆとり教育」により学力が低下し、あらためて「確かな学力」が必要との声によるものでしょう。一方、「総合的な学習」の時間数は削減されました。ここの評価につきましても賛否は分かれるところではありますが、小学校3年生の時に初めての「総合的な学習」を受け始めた子どもたちが、現在18歳になり、いよいよ大学生として、また、社会人として自立デビューします。
実は「ゆとり世代」の本当の意味での評価はこれから始まることになるのです。「自ら学び自ら考える力」に代表される「生きる力」が、社会デビューするまでにどの程度身についたのか、そこが評価のポイントではないでしょうか。多くの保護者の願いとは、子どもたちが確かな学力と社会性を身につけ、健康で独り立ちしてくれることだと感じています。学力向上はその大部分を学校にお願いすることになりますが、社会性や健康については、まさに「家庭」と「学校」と「地域」が一体となって取り組む課題です。新学習指導要領により学校は教務がますます多忙となることが予想されますが、そこで必要となるのが地域の学校支援です。各単位PTAの皆様には、ぜひそれぞれの学校長と学校経営についてじっくり話し合う機会を設けていただき、その中でPTAはどのように学校を支援できるか考えていただきたいと思います。学校の最大の応援団は地域でありPTAです。
組織運営を行う際に、私自身がいつも指針としているのが『着眼大局、着手小局』という言葉です。「視座を上げ、物事を大きく広く捉え、小さなことから実践する」という意味ですが、PTA活動もまさに同じで、子どもたちの健全育成について広く考えつつも、目の前の一人ひとりの子どもに真剣に向き合うことが教育の本筋と考えています。手の届く範囲の「地域の子育て」をぜひ大事にしていただきたい、そう願っております。
なお、今年度の市P連の活動方針と事業等につきましては、別項に詳しく掲載してありますのでご一読願います。また、環境の変化に対応した軽くて俊敏な組織への改革も徐々に進めながら、函館市内約1万8千5百名の小中学生が健やかに成長できる環境づくりを市P連として下支えして行く所存ですので、会員の皆様方には今後とも、当会へのご理解とご協力を心よりお願い申し上げます。